福山和人

福山和人

ふくふく家族

第25回つなぐつなぐ

夫が出馬を決めて、新聞に報道されて夫はいっそう忙しくなった。
弁護士の仕事と予定候補者の仕事の両方をするのだ。法律関係は減らしていくにしてもまだたくさんあった。
そして彼は個人として立候補したのでたくさんの人に連絡を取って支援をお願いするところからが仕事だった。
同時に彼の成し遂げたい仕事をみんなの願いから紡ぎだしていくのだ。
彼にはたくさんの願いが寄せられた。それはある時は保育関係者の声だったり中小企業の方の願いだったり。原発反対、憲法守りたい。いろいろな政治課題。中学校にも給食がほしいとか。奨学金どうにかならないかとか。

あるとき夫は私に、友人でLGBTの当事者としてカミングアウトして人権問題で頑張っている市会議員さんに連絡を取ってくれと言った。
パートナーシップ条例の件で聞きたいと言う。
実は私はそれ以前にこの市会議員さんに、夫と夫婦喧嘩したことをほんの一言うっかり漏らしたことがあった。だからメールで友人が「パートナーシップガンバって」と言っているのを、私と夫の仲のことを冗談めかして言われてると思い込み、彼が(何故だか)「これ見せてね」と言うのを「何言ってるのよ、彼が見たら私が困るでしょ!」なんてとんちんかんな返事をしていた。
しかし、一日ぐらいタイムラグがあって「あれ?あの同性カップルの権利をサポートする条例のことを言ってるのかな」と、控えめな友人の訴えと夫の今やっていることがふいに繋がった瞬間に、急いで友人である市会議員さんに連絡をした。
夫は他の人との会話をちょうど終えたところだった。
何故電話したのか説明するもまどろっこしく、夫が話したがっているとだけ友人に告げて電話を夫に渡した。
それから二人の話しは半時間かそこら、とても盛り上がっていい感じだった。
友人は私がうっかり夫婦喧嘩のことに触れたこともきっと忘れていたに違いなかった。
何言ってんだ!
そんな話よりもっと大事な話なんだよ!
性的マイノリティの人権の話なんだよ!

話の半分しか聞けなかったのが残念だったが、二人が話すのを聞いていて私は「ああ、選挙に出るってこういうことなのか」と感動していた。
連夜いろいろな人と連絡を取って熱心にメモをとっていた夫は自嘲気味に「俺は人の話の受け売りしてる」と言うが、まさにそれはいろいろな人の意見を聞いて、ひとつの政策案のように練り上げていく作業。
いろいろな願いを寄せ集めてパッチワークのように合わせていく仕事なんだ。目の前で七色のパッチワークの布が大きく広がるのを見たように思った。
私は「福山和人」の名前を広げたくて、SNSに「#ふくちゃんと願いをパッチワーク」というハッシュタグを飛ばした。

こうして夫の予定候補者としての仕事は連夜電話やメールでたくさんの人とやり取りすることから始まって、決意表明の記者会見へと怒濤の勢いで流れていった。
その後いろいろな人が支援を表明してくれて「つなぐ京都」の会が立ち上がった。
一本の電話が夫と私の友人を繋いでそこで未来の希望が語られたように、この選挙は候補者である夫と有権者を繋いで壮大な希望が語られている選挙だ。
勝たなくてはいけない。
勝って夢を現実に繋がなくてはいけない。
つなぐ京都なのだ。

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