福山和人

福山和人

ふくふく家族

第39回候補者の家族

毎晩夜更かし。
夫はスマホの作業。
私もいろいろ。

子どもたちも毎晩夜更かし。声はかけるが寝る方も寝させる方もいまいち真剣味に欠ける。アリバイ的に「はよ寝えや」「歯ぁ磨きや」春休みだし余計にたるんでいる。
私もそこで手強い子どもらに抗うより他のことに体力、気力を温存したい。
でも放っておくと夜更かしが過ぎて昼まで寝ている子どもたち。
もう少し私がうまくやらねば。焦る。

そう思い続けて京都新聞のすっぱ抜き記事からもう数週間、わが家の夜更かし癖は改まらない。
私が夜更しなのは家事とネットの作業だけでなく、マッサージ師としての使命があるから。
普段なら夫より先に寝てしまうのに、やはり毎日いくつもいくつも演説をして、特別にくたびれて帰ってくる人を置いて寝たりはできない。
彼が一通りするべき作業を終わるまで私も何かして起きていて、半分寝落ちてるのを「二階行こう二階」と追い立てて寝室に上がる。
そしてマッサージ。
首凝り族の夫は背中もバンバンに凝っていて、足も気の毒なぐらいだるそうだ。
一日ずっと重い体を支えている彼の足を本人に代わって労いながら、ツボを圧しリンパの筋を力を入れてさする。肩だけのつもりがやはり毎回全身フルコースになる。
愛だねぇ、愛。

夫は毎日各地で演説につぐ演説。
演説の様子を人が録ってアップしてくれるものからうかがい知る。
ありがたいことよのう。
洗濯物を干したり料理したり、用事をしながら、候補者のスピーチで私は日々彼の政策に明るくなっていく。
それに声を聞いて「ここは調子がいいな、ここは疲れてたかな」と思う。
頑張った人にサービスの一品をつくってあげようか。
漫談のようなユニークなこの人のスピーチをたくさんの人に聴いてほしいと思う。
彼が帰宅すると、「どこどこのスピーチがよかったね」と言う。
何はともあれ「今日も最高!よかったよ」と言う。
誉められるのはいくら誉められても嫌にはならないだろうから景気よく誉める。
毎晩夫はご飯もそこそこに、自分のスピーチを聴いて研究している。
今日はそれとは別に5分間のビデオレターの撮影もした。
撮り直しは一回で、淀みなく言うべきことを言い尽くす様は職人芸とも言える。
スマホのカメラを構えた娘と二人感嘆して顔を見合わせる。
こんなことをしている候補者の家族としての毎日。
すべてが夢のようだ。何もかも非日常で、長い夢を見ているようだ。

4月8日。
私が、そしてたくさんの人が惚れ込んだ理想の知事さんが誕生するのか。
みんなの頑張りの結果が出る日。
わくわく。ドキドキ。
正直、この浮き足立ったような不思議な時間が過ぎたとき、果たして私は無事に「日常」に着地できるのか、私は実はそれが一番心配だ。

Tweet
シェア

ふくやまかずひとをご紹介ください

ふくやまかずひとをご紹介ください

ページトップへ戻る