福山和人

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ふくふく家族

第46回子ザルのご褒美

「お父さんと会ってないわぁ」と小学生の息子がぼやく。
「会ってるやん」「おかえり~ぐらいやん。世間話してない」なるほど。
確かに最近夫は演説巡業から戻ると、「ただいま~」と言いながらスーツを脱ぎ、スウェットに着替えるとまずひと口発泡酒をすすり、みんなより遅く食べる晩ご飯をつつくのもそこそこに、スマホで何やら仕事を始める。
真剣な面持ちで自分の演説の動画を見ている。
家族は四人とも同じ空間にいるけど、選挙期間中はやはりいつもの会話にはなかなかならない。
夫と私はスマホで作業。
といっても、夫と違って私はスマホをしながらでもけっこう会話ができるので、夫が無口な分も私が一手に引き受けて子どもと話す。
スマホを覗いてだんまりの家族団らんはやっぱり嫌だから。
子どももテレビを見たりゲームをしたり。
絶妙のバランスでみんなが「ながら」作業と会話を両立している。

この選挙が終わったら「食卓でスマホはやめてよね」ルールは無事に復活できるのか。
選挙中は子どもらには実に天国のようなスマホ&ゲーム解禁特別期間。
だってお父さんとお母さんがやってるんだし!
でもやはり就寝時、布団に潜り込んだときに、物足りなさを感じたのか冒頭の息子の台詞。「お父さんと話してない」

うちはふだんよく言葉で遊ぶ。名古屋で住んでる私の姉が、ある時わが家の、何の中身もない延々続く言葉遊び会話に遭遇して感嘆していた。
「わあ。関西やわぁ」
私はこのホタホタしたやり取りを「言葉のグルーミング(親睦を深めるための毛繕い)」と呼んでいるが、わが家はいつも京都市動物園のサル山状態。
それぞれが終わることのない言葉遊びで時間を埋めていく。
それがこの間の選挙に伴う圧倒的なスマホノルマに呑まれて、わが家では今若干グルーミングが不足している。
弁護士業と違って夫婦には会話が増えていいかもしれない候補者活動も、子どもらには考えものかも。
やはり候補者活動は期間限定でお願いしよう。
そうこう言ってるうちに投票日まであとわずか。
泣いても笑ってもこの特別期間は次の日曜日まで。

雄ザルの頑張りが報われる日であってほしい。
もちろんお父さんが当選することほどワクワクするプライズはないけど、
勝っても負けても、頑張ったみんなに何かご褒美があるといい。
聞き分けのよい子ザルたちの小さい我慢の積み重ねに。
私には、そうだねえ、近場でいいからどこか温泉行きの切符をください!

いやー、ちょっと気が早いね。
まだまだこれから。あとひと踏ん張りふた踏ん張り。

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