夢、なりわい、まち、未来、ひとをつなぐ
京都市長選挙にあたってのマニフェスト(確定版)
子どもさんのことで相談にこられたあるお父さん。ネクタイをしてこられたんやけど、それがボロボロでした。あちこち丁寧に繕った跡が…。自分の服を最後にいつ買うたか覚えてへんと。
自分の着るもんなんか後回しにしてでも子どものために必死にがんばるお父さんでした。
自己責任とか、老後のために2000万貯めとけとか言われるけど、私ら庶民は上から目線でそんなこと言われるまでもなく、自分の力で家族のため子どものため必死に生きてるんちゃいますか?
ホンマは国がそういう庶民のためにがんばらなあかんけどそれを怠けてる。
それならせめて京都市が市民のために必死になってやらなあかんと思います。
京都は観光客が増えてうるおってるように見えるけど、儲かっているのは外資系や東京などの大資本ばかり。市内のホテルや旅館、飲食店などの法人市民税は逆に6000万円減。
京都の大企業10社の内部留保が史上最高の8兆円に達する一方、京都経済の99%を占める中小企業は毎年700件以上も倒産休廃業、事業所減少率は政令市ワースト2、京都市の非正規雇用率は政令市ワースト1、市内の雇用者報酬(賃金・俸給)は2006 ~ 2016年の10年間で2200億円も減少。
そんな中、京都市がなにかしてくれた実感ありますか? むしろいまの市長さんがやってきたことは「乾いたタオルをしぼる」という言葉どおり、社会保障などを900億円も削減する一方、国保料・介護保険料・保育料・水道料などを軒なみ値上げ。市の職員は3300人以上も削減。
まじめにがんばる市民に痛みを押しつけてきたんやないでしょうか?
インバウンド(訪日旅行)呼び込みにより観光客が押し寄せ、街の風情は一変、電車・バスは大混雑で住民が乗れず、学校跡地や景勝地にホテルが建ちならび、民泊トラブル、地価高騰など、「京都が京都でなくなる」という悲痛な声があがっています。
「子育て環境日本一」と言うけど、よそでやってる全員制の中学校給食や子ども医療費無償化を拒否する一方、市民にばく大な負担を強いる北陸新幹線やリニアなどには前のめり。
京都市の出生率(合計特殊出生率)全国815の市区の中で778位と最下位グループなのに。
こんなことで京都市は持続可能なんでしょうか?
政治は、一握りの政治家や、財界、大金持ちの人たちの独占物やない。懸命に生きてる99%の市民のためにあるべきや。私はそう思います。京都市がその気になればできることはようけあります。
市民の声で市民のための政治に変えていきませんか?
みんなが温かみを実感できる政治をつくりませんか?
京都から新しい風を吹かせませんか?
わくわくする明日の京都をつくろうやないですか。
1 これまでの市政のよいものは受けつぎ、変えるべきは変えていく。
2 必要な節約をしながら、活力をやしなう。
3 国や府とのつながりを大切にしながら、自治力を大いにのばす。
ともすれば京都における首長選挙では、すべてを変えるかすべてを継承するかという極端な選択が有権者に強いられてきた感があります。これまでの市政に多くの問題はありますが、市民の声に押されて実施されてきたものもありますし、私はそのすべてを否定するつもりはありません。これまでの市政のうち継承すべきは継承し、変えるべきは変える。そういうあたり前のスタンスで臨みたいと思います。
福山和人(ふくやま かずひと)プロフィール
58歳。立命館大学法学部卒。弁護士として、アスベスト・原発・不当労働などを担当。2015年度京都弁護士会副会長。2018年京都府知事選挙出馬。京都市左京区在住。家族は妻と長女、長男。
格差を解消し貧困をなくすことに本気で取りくまなければ、一人ひとりの明日や将来が見とおせないばかりか、人口減少に拍車をかけることにもなります。
京都から貧困をなくし、すべての人が将来に夢をつなぐことができるようにするため、府と連携し、弁護士会をはじめ、大学、専門家や団体の協力もえて、あらゆる手だてをつくし、暮らしの底あげで、誰もがもっと豊かに暮らせる安心感を生みだします。
(1)子どもの主体的権利を認め、子どもが安心して生きる権利や意見表明権などを明記した「子ども権利条例」を制定する。
(2)中学卒業まで子どもの医療費を無料にする(歯科治療を含む)。子どもの国保料の均等割を免除する。
(3)市長を先頭に「子育て日本一をめざすチーム」(仮称)を発足、子どもの貧困実態調査や子育てニーズの調査などをおこない、総合的な対策に取り組む。
(4)児童虐待への対策、障がいある子どもたちへの施策を強化する。児童福祉センターの児童福祉司の配置の拡充など体制の強化をはかる。
(5)児童福祉センターの識別診断の待機を解消するために、医師や職員の体制を強化する。
(6)養育費立替払い制度の創設をめざす。
(7)妊婦、産婦、褥婦に対する福祉医療制度の新設をおこなう。
(8)保育園の待機児童(2019年10月1日現在1259人もの潜在的待機児童)をなくすため、認可保育所の整備・増設をはかる。小規模保育にも必要な支援をおこなう。保育の質を担保するためにも、保育士の配置基準を引き上げるよう国に求めながら、さしあたり市の独自基準を引き上げる。保育士の増員めざし処遇の抜本的改善をはかる。
(9)保育無償化の対象外の副食費を国に無償化するよう求めるとともに、当面市が費用を負担する。
(10)ひとり親家庭の0~2歳児の保育料を一人目の子どもから無償にすることをはじめ、保育の完全無償化をめざす。
(11)公立保育所の民間移管方針をみなおす。
(12)学童保育のすし詰め状態の解消のために、学童保育所・児童館の増設と学童保育・児童館職員の処遇改善をはかる。
(13)小学校のような全員制の温かい中学校給食を段階的に実施する。給食費の計画的無償化をめざす。
(14)どの子ものびのびと成長できる教育環境をつくるために、教員を増やし、小学校3年生以降も順次35人学級を実施する。
(15)子どもたちがゆとりをもって成長できる環境を整備するために、子どもや父母、現場の意見を踏まえて、小中学校の長期休業の期間、宿題の量、時間割などについて、教育の自主性・独立性を尊重しながら検討する。
(16)多様な教育の場を保障できるよう支援する。
(17)不登校児童と保護者への継続的な支援をおこなう。
(18)公立学校教員に対する変形労働時間制は導入しない。
(19)学校の統廃合計画は、いったん凍結し、検証する。
(20)学校運営予算を増額する。トイレの洋式化をすすめ、エアコンの稼働を保障する。体育館にもエアコン設置を検討し、早急に計画を確立する。通学路の安全確保や老朽校舎の改修改築を計画的にすすめる。
(21)朝鮮学校などに対する学費及び幼保無償化の除外は見直しを国に求め、それが実現するまでの間は市独自の無償化に向けて検討をすすめる。学校運営費への補助金減額をみなおす。
(22)高等学校の学費は、資力要件のない段階的無償化をめざす。
(23)大学入試「改革」の中止を国に求める。
(24)国に対し、高等教育の無償化や私立大学への助成増額を求めるとともに、京都市として市立芸大の学費の無償化をめざす。
(25)京都市独自の給付制奨学金を創設する。貸与制を前提に、市内企業に一定期間勤務した方について、返済免除・軽減の制度を検討する。貸与制の奨学金受給者に対する機関保証料の支援をおこなう。奨学金返済を支援する制度を創設する(利子分の支援など)。
(26)地下鉄の学生定期割引率アップで負担軽減をはかる。市バスの学生定期割引率アップを検討する。
(27)空き家対策と学生・若者・子育て世帯への住宅支援・家賃補助をセットですすめる。
(28)ニート、ひきこもり、不登校など社会生活を営む上で困難を有する青少年及び家族の実態調査、相談、支援の体制を抜本的につよめる。
(29)青少年活動センターの全行政区への設置をめざす。
(30)就職適齢者の住所氏名の宛名シールならびに紙媒体・電子データの自衛隊への提供は、個人情報保護の観点から中止する。
(31)老人医療費支給制度(65歳から69歳の所得税非課税世帯)の窓口負担を2割から1割に戻し、対象年齢を計画的に拡充する。
(32)特別養護老人ホームや小規模多機能施設、認知症対応グループホームなどを大幅にふやす。
(33)高齢者の聞こえの困難に対し、補聴器への助成制度をつくる。
(34)「認知症による事故」への救済のために民間保険を使った「事故救済制度」を検討する。
(35)高すぎる国民健康保険料を、国、府と協力して負担軽減をはかる。
(36)国保料滞納者に対する資格証明書・短期証発行や差し押さえをやめる。一部負担金減免制度を使いやすいものにする。
(37)無料低額診療事業利用者の保険薬局における薬代の窓口負担金への助成制度の創設を国に求めるとともに、当面市独自の制度を検討する。利用できる医療機関をふやす。
(38)宇多野病院をはじめとする公立・公的病院の再検証(統廃合計画など)の撤回を国に求める。
(39)京都市立病院・京北病院は救急・災害・感染症対策・へき地医療の拠点としてさらに強化する。
(40)介護認定・給付業務の集約化・民間委託方針はみなおす。これまで通りに、もよりの区役所で介護保険の申請や相談ができるようにする。
(41)介護保険料・利用料の京都市独自の軽減措置を拡充する。低所得者に対する利用料の減額制度の拡充・免除制度の創設を検討する。
(42)介護職員の育成確保のため、介護福祉士養成校の学生への京都市独自の給付制奨学金を創設する。介護職員の処遇改善をはかる。京都市独自の「処遇改善交付金」を検討する。
(43)京都府に対して「民間社会福祉施設サービス向上補助金」の復活を求める。
(44)地域包括支援センター業務の過密化を解消するため、人員と業務をみなおす。地域を支える専門職などのマンパワーをふやす。
(45) 新総合事業の報酬単価は、生活支援型を介護型と同水準とする。
(46)市民全体の貧困実態を詳細に把握し、課題を浮き彫りにするための調査をおこなう。
(47)生活保護の捕捉率を向上させる。
(48)生活保護の申請権の保障、生活保護制度の周知徹底をおこなう。ケースワーカーの増員と研修の充実をはかる。
(49)夏期冬期の見舞金制度の復活をめざす。
(50)国に対して生活保護基準を切り下げないこと、この間の老齢加算廃止、母子加算切り下げ、住宅扶助切り下げなどを元に戻すことを求める。
(51)市営住宅の老朽化による建て替え、住環境の改善をはかる。
(52)市営住宅の空き家募集を適時おこなう。
(53)市営住宅や公共施設のバリアフリー化をすすめる。
(54)公共施設の女性トイレの3倍化と多機能トイレの増設をすすめる。
(55)市職員による市民生活相談の包括チームを立ち上げ、弁護士会や司法書士会、関係機関などと連携して、多重債務相談の法律家派遣、生活保護申請アドバイス、住まい確保への援助、市役所でのハローワーク相談の実施などの市民生活再建・支援をおこなう。
(56)地域リハビリテーションセンター・こころの健康増進センター・児童福祉センターの統合の方針は撤回し、身近な相談体制を充実させる。
(57)有料ごみ袋代の値下げをめざす。
(58)消費税の5%への引き下げとインボイス制度の廃止を国に強く求める。
(59)ひきこもり支援の在り方の検討にひきこもりの本人や家族の意見を充分反映させる。また、支援団体や研究者の方からの提案を施策に生かす。人材育成をすすめ、必要な予算を確保する。
京都市は、100万人以上が住む大都市でありながら、住商工農が共存する稀有なまちです。
99%以上を占める中小企業や伝統地場産業、小売店が連携・協力しながら地域と経済をささえ、そこに人々が働くことで、人・モノ・お金の循環をつくってきました。
また都市部の近くに農林業があり、市民の食と景観、防災をささえてきました。
人・モノ・お金の好循環を取り戻し、つなげるため、地域の持続可能性の視点に立った循環型産業政策のグランドビジョンをえがきます。
また公共事業については、莫大な負担を要する大型公共事業はいったん立ち止まって冷静に検証しつつ、地域密着型の中小型公共事業は地元優先発注で計画的にすすめて、住民サービス向上や防災力強化と経済活性化を両立させます。
(60)市の「地域企業の持続的発展推進条例」の実効的な運用・実践をはかるとともに、中小企業支援の観点で、市や大企業・金融機関の地域貢献などの役割明記、地域貢献度の情報公開など、関係団体などと協議しながら更なる改善をすすめる。
(61)抜本的な産業振興・地域振興をすすめるための「地域産業振興センター」(仮称)を設置し、地元の業界団体や、地元金融機関、大学や研究機関などと連携し、府内及び全国の進んだノウハウを蓄積し、持続可能な地域づくりのために積極的に産業振興策をすすめる。
(62)区役所に産業振興の部署と担当職員を配置して、地域活動と連動した企業活動の支援や商店街振興などのきめ細かな対策をすすめる。
(63)域内企業に対して、市民の積極的雇用、市内企業との取引の重視、地域活動への参画などの地域貢献を呼びかけるとともに、「地域貢献企業支援制度」の創設を検討する。
(64)地元の子どもたちが地元産業・地元企業に関心を持つ機会をふやすとともに、京都で学んだ大学生が地元企業に就職する割合を高める活動をすすめる。
(65)国の小規模企業振興法の具体化をはかる。
(66)国に社会保険料負担などの中小企業への支援を求める。
(67)小規模業者設備投資助成金制度の創設により設備投資にかかる費用の一定額の助成を検討する。固定費支援、中古の機械購入支援、エコ対策支援などの市独自の中小企業支援策をすすめる。
(68)地元への経済波及効果が抜群の「住宅リフォーム助成制度」を創設する。断熱工事や太陽光パネル設置への支援を拡充し、再生可能エネルギーの活用と中小企業支援をセットですすめる。
(69)元気な商店街は住民生活の支え。府の「商店街カルテ」を踏まえ「商店リニューアル助成制度」創設など、まちづくりと一体にすべての商店(街)への支援を抜本的に強化する。
(70)大型店の進出・撤退、およびコンビニエンスストアの乱立出店については、地域貢献などの観点から必要な規制を検討する。
(71)人々の暮らしにうるおいをもたらす伝統工芸品の製造、京都ならではのモノづくりを産業として成りたたせることは、行政の重要な役割である。伝統産業実態調査をおこない、職人の後継者育成や工賃の引き上げ、道具類の確保、販路拡大など伝統産業の活性化をはかる。
(72)保育士、介護士、建設、観光などの人手不足対策、とりわけ保育・介護分野の人員確保のために、賃上げにつながる直接の処遇改善策や家賃補助制度を創設する。歴史文化を維持修復する専門技術職員や瓦・電気などの業者の育成をはかる。
(73)市民生活の安全や安心に資する京都の先端産業によるIoT技術などをいかす。
(74)防災と地域生活の維持に不可欠な道路、橋、河川、施設など、市が管理するインフラの整備と崖などの危険地域の防災対策を、地元業者優先発注で計画的にすすめ、地域経済の活性化と防災力の強化をセットですすめる。
(75)公共事業の発注に関しては、公正性・透明性などを基本としつつ、地元企業支援の観点から分離・分割発注方式の採用なども含めた適切な方式の検証をすすめる。
(76)北陸新幹線延伸計画、リニア誘致、堀川バイパストンネル計画などの市民に多大な財政負担が生じる公共事業や再開発は、いったん立ち止まって必要性、弊害の有無、住民合意、費用の相当性などの観点から十分検証する。芸大移転、中央卸売第一市場整備計画は、費用の妥当性、住民合意などを勘案し、必要に応じて修正を検討する。事実上廃止が決まっている市内高速道路3路線は速やかに都市計画の廃止の手続きを完了する。
(77)中小企業支援のための諸政策とセットに時給1500円をめざす。その実現にむけて、京都市が先頭に立つ。公契約基本条例を改正し、市が発注する事業に従事する労働者に対し時給1500円以上、設計労務単価の90%以上の支払いを義務付ける賃金規定と地元優先発注を明記する。
(78)小企業・零細業者が、最低賃金の改定に伴う賃金改善をしやすくするために、当面、時給1000円をめざして賃金を引上げた小企業・零細業者に対し、社会保険料事業主負担分を対象に一定の補助をおこなう。
(79)京都市独自の中小企業に働く若者への奨学金返済支援制度を検討する。
(80)悪質企業・悪質バイトによる被害を防止するとともに、早期の被害救済をはかるために「働く人を守る条例」(仮称)を制定する。労働局、大学、弁護士会、司法書士会などと連携し、36協定締結状況に関する実態調査や、悪質企業名の公表などの実効性ある手立てを講じるとともに、啓発、相談・指導体制を強める。
(81)すべてのハラスメントをなくすために取り組みを強める。
(82)地元で作られたものは地元で回す地産地消、地産地商を促進するために、京都市の発注する事業やサービスなどは、地元の業者発注を基本にすえる。市民・民間事業者に対しても地産地消、地域貢献をうながす。
(83)現行の公契約基本条例に賃金条項を加えて、市が発注する公共事業に従事する労働者の賃上げをおこなうとともに、地元企業への優先発注をすすめる。
(84)官公需法に基づく官公需適格組合制度の活用をすすめて、優良な地元業者に仕事が回るようにする。
(85)小規模工事希望事業者登録制度を創設し、小規模な工事、物品調達、役務など仕事が地元に回るようにする。
(86)金融機関に地域産業への投資を求める。
(87)市の取扱金融機関の選定については、透明性・公正性・地域貢献などの観点から必要な検証をおこなう。
(88)地元雇用や地元産品を活用する地域貢献企業を認証する制度を創設する。
(89)学校給食をはじめ、安心安全な食べ物を地産地消で積極的に地域循環させる仕組みをつくる。
(90)いのちの根幹を支え、持続可能な開発目標の核心をなす農業・農村を全力で応援する。市として農業・農村の維持のための独自の所得補償制度を検討し、新規就農者・認定農家の支援、有害鳥獣対策の強化などおこなう。
(91)「主要農作物種子法(種子法)」の廃止を受けて、京都府に対し、主要農産物の種子の保全や開発、安定供給をめざす「種子交換ネットワーク」を形成するように求める。さらに、府に対して食の安心を守るための「種子条例」の制定を求める。
(92)農家による種子の自家増殖や販売、利用の権利を奪う種苗法「改正」に反対する。「京野菜」をはじめとする伝統的な農業や地域品種など多様な種苗を保全し、普及を援助する。
(93)国連が採択した「小農と農村で働く人々の権利宣言」の理念と基本方針を踏まえ、「食と農のまちづくり京都条例」(仮称)を制定し、農業者や研究者、流通者、消費者など当事者の意見を聞きながら(タウンミーティングなどで)、京都の風土や農家の条件に応じた有機農法や環境保全型農業を推進し、安価で安全な農産物を提供できる環境整備をすすめる。
(94)農家の後継者不足問題による休耕田畑を活用しての新規就農者支援、地産地消、持続可能な農業・流通システムの環境整備をすすめ、学校給食に京都の安全な農産物を積極的に使い、食の安心安全と農業振興を同時にすすめるモデルをつくる。
(95)2022年の生産緑地法改正により予想される京都市の生産緑地(農地)の宅地転用を防ぐための対策を検討する。
(96)京都が京都であるためにも、防災上からも京都の森林環境の保全とそれを生かした林業の持続的経営が重要であり、これらが持続できるように、京都市森林整備計画を実効あるものにして、積極的な施策をすすめる。
(97)森林の育成、京都産材を多用した住宅・公共施設建設、間伐材の活用などによって地元林業者や製材業者などの支援対策を確立する。
この間、市がすすめてきた観光政策によりオーバーツーリズムの弊害があきらかになり、街並みや住環境が損なわれるとともに、観光地周辺での混雑、交通渋滞や、観光客によるマナー違反、民泊トラブル、国内観光客の減少、地価高騰など、深刻な問題が生じており、このままでは京都が京都でなくなると危惧されています。
また観光消費は海外や東京などに流れ、必ずしも地域経済の活性化につながっていない実態もあります。
わたしはインバウンド(訪日旅行)呼び込み型の観光政策をみなおします。人と人が交流する観光本来の意義を大切にして、伝統産業への支援、文化財保護対策を強化するとともに、滞在型・体験型観光へシフトし、京都の歴史的な景観と街並みと住民の生活環境を守り、地域がうるおう、住んでよし訪れてよしの京都をつくります。多くの世界遺産を有する歴史文化都市京都の豊かな文化を守り、次世代につなぎます。
2011年3月11日の福島第一原発事故から9年を迎えようとしています。いまだ事故原因の究明もできず、原発事故により故郷を離れざるを得ず、遠く京都まで避難されている人も少なくありません。
福井の原発群に近い京都府、しかも現在高浜原発3・4号機、大飯原発3・4号機が稼働しており、ひとたび重大事故が起これば京都を未来につなぐこと自体が困難となります。
この問題に真剣に立ち向かい、廃炉推進のイニシアチブを発揮します。
また近年の台風、地震、火災などの災害は京都も無縁ではありません。天災の発生自体を防ぐことはできませんが、日頃の備えにより災害による被害を減少させる減災は可能です。災害に強いまちづくりをめざします。
気候危機に立ち向って地球環境を守ることは次世代への私たちの責務です。
京都議定書を発信した京都らしく、2050年までにCO2排出量ゼロ実現のためリーダーシップを発揮します。
京都の未来は平和あってこそです。国際都市京都にふさわしく、平和の構築、社会の多様性確保などの取り組みをすすめます。
わたしが思う市長の役割は「リーダー」ではなく、「御用聞き」です。正解は市長室にあるのでなく、常に現場にあります。
基本はトップダウンではなくボトムアップです。わたしは、現場の声をよく聞き風通しのよい市政運営をおこないます。
地域のことを一番よく知っているのは、住民のみなさんです。住民自身が地域のことを考え、自らまちづくりに参加できることが大事です。区役所をはじめとする業務の統廃合ではなく、現場に近いところに職員と権限と予算を配置して、住民自治の力を育み、市と住民が共同して地域のことは地域で解決できるような仕組みをつくります。
財政が厳しい下でも、財政健全化と住民福祉の両立をはかります。
憲法の保障する地方自治の本旨にもとづき、国や府とのパイプは重視しつつ市民の利益のために言うべきことはきちんと言います。
選挙における有権者の権利は、単に一票を投じるだけの狭いものではありません。
候補者が示した政策に対して意見や要望を伝えて候補者と有権者がキャッチボールをおこなうこと、さらに他の候補者ともオープンにキャッチボールをおこなうことで、市民みんながつながってよりよい京都市を作り上げる営みが市長選挙やと思います。
わたしは、これまで投票に行かなかった方々も含めて、「一緒に新しい京都を作ろう」という機運がみなぎるような選挙をすすめていきたいと思います。
その第一歩として、わたしは、市民のみなさんからいただいたご意見を踏まえて、市長選挙に臨むマニフェストをお示しいたします。多くのみなさんにお読みいただき、意見交換し、市民参加でさらに練り上げていきたいと思います。
「光のあたらないところに光を当てる」、これが政治の役割だとするならば、わたしには在野法曹として20 年近くその仕事をしてきた知識と経験、自負があります。それを活かして、市民の皆さんのために全力で市政にあたっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。